2006年05月19日

少年時代14


しっとりと雨にたたずむ我が家の花たち。

DSC05974.jpg

雨はときに洪水をもたらし、人々を苦しめる。

だけど、恵みの雨だって多い。

ぼくの子ども時代、大水が出ると忘れられない思い出がある。

それは、夏が終わる頃の話しだけど、この頃になるとそろそろ

うなぎやカニたちは産卵のために川を下り始めるのだ。

大水が出るとその流れに乗って一斉に下るのを、村の人々は

知っていて、「明日は絶好の日和じゃ、みんな用意しておけよ」と

伝令がやってくる。

男達は、直径が1.5bくらいで長さが3bくらいの大きな

竹籠を用意する。その他には杭やロープ、スコップやハンマー

など、それぞれ仕事の分担を決めて川に行くのだ。


川は大水の影響で、いつもよりは勢いがえい。「あそこはどうじゃ」

「いやあの瀬がいいなあ」などといってこの巨大な籠の設営場所

選びから始まる。つまり下る魚たちが集中的にそこを通る場所を

選ぶわけである。「よっしゃあ、ここにするぞー」と決めると

まず、杭を打ち込み縄がけの準備が出来ると「よし、こい」と合図。

すると、「ほりゃあいくぞー」といって、巨大な籠が投入される。

大水に流されないように、しっかりと籠を設営して一晩待つのである。


翌日女も子ども達も全員で、てんでにバケツや魚籠など提げて仕掛けの

場所に集合する。ウナギを挟むうわしやカニ専用の籠や小さな網など・・

みんな期待でワクワクしている訳で表情もすごい。

これからおこる出来事に対して、まるで戦闘状態だから。

やがて、男達が大勢しかけてあった巨大な籠を持ち上げ陸にあげると

籠の中を掻き出す。「ほりゃあでたぞー」葉っぱや草などのゴミも多いが

魚やカニ、うなぎやエビなどがうじゃうじゃそこらあたり這いずりまわる

のである。

こじゃんと入ってる。捕っても捕っても出てくるからまさに大漁なのだ。


ほんとうにすごかった。とくにキラキラと光る川エビの群れには感動した。

そしてこれらの収穫をあらゆる料理にとりかかる。

川エビの煮付けやカニ汁にうなぎの蒲焼き。ぼくらは炭をおこしたり

けっこう仕事もあった。男達は冷や酒を煽りながら何人もでウナギを捌く。

すぐさま七輪で焼く。生きてるうなぎは七輪のうえでキューッと縮み

刷毛でタレを塗りながら何匹でも食べれた。うまかったなあ・・

エビの佃煮は熱いご飯に載せていただくと何杯でも食べれた。

カニは石臼で突いて、りゅうきゅうやナスを入れて汁に・・

料理はすべて外でしてた。薪で煮炊きをし炭火で焼き物だから

煙がただよい、火の匂いやお酢やタレの匂いなども味となって

からだに染みこむのである。もちろんごはんも焚く。

慣れているのか手際が良かったなあ・・

当然、胃袋はパンパンになって大満足である。いまでもあの味は

忘れることができない。


みんなで獲物を捕る。みんなで料理していただく。ふだんは百姓仕事に

毎日追われる人々の至福のひとときなのだ。

いまなら解る・・なんぼか酒がうまかったやろうねえって。

夜が更けるまで明るい賑やかな声が続き、幸せな日々だったよ。


自然は、ときに荒れ狂うけれど、こうした恩恵も受けていたのだ。

豊かな自然環境を取り戻したいモノだとつくづく思うねえ・・・



posted by わくわく村長 at 11:06| 高知 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 村長の歴史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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