2006年01月27日

少年時代3


授業より大切なこと

先生は授業より学校行事に異様に燃えていた。

学校行事の主なモノは、入学、卒業式。そして運動会や遠足といったところ。

ところが、極め付きの行事があった。

       学芸会である。

学芸会というのは、いわば演芸会であるが、こどもたちが行う

劇や、唄、踊りなどといった芸能を舞台で披露する訳だ。

これは、村中の人々が唯一楽しみにしている行事であり、村をあげて

取り組む一大イベントだったのだ。


男先生は特に力をいれていた。

準備だってたいへんである。教室にて夜遅くまで母親達が集まって

衣装を縫ったり、舞台の大道具や小道具を作るんだから・・

こどもたちもたいへん。なにしろ児童数が少ないから、主役から裏方まで

みんなでこなさなくてはならない。

思えば、これが現在行っている演芸会などの裏方などに役立っているんやろな。

写真で見ると、ぼくなんかスカートはいて女の子になって踊ってるよ。

       はずかしい〜。がく〜(落胆した顔)


この時代は、極端に娯楽が少なかった。そりゃあ時には、浪曲師や踊り

みたいなものは来てたけど、全体的には娯楽に飢えていたかもしれない。

テレビだって村には2台くらいしかなかったから、もてはやされていたものだ。

なぜか、うちにあったけど・・・だから、学芸会は学校行事と云うより、

   村の最大娯楽

                   だったに違いない。


季節は11月頃だったと思う。稲刈りが終わる頃だよ。

当日は、早くから教室にざぶとん持ってきてお年寄りたちが陣取る。

こどもが舞台に登場すると拍手喝采はいうまでもない。

「キャーうちの子やー」「あんたんくの子もおるでー」

「00ちゃんかわいい」「がんばりやー」などとワイワイ・・

もちろん狭い教室には座れないくらいの村の人々だけど、舞台と

異様に近いから声援もヤジもすべて筒抜けなんだ。

でも、一生懸命何かに取り憑かれたように必死だったと思う。


男先生が学芸会に力を入れていたのには訳があった。

学芸会が終われば、宴会が待っているのだ。

教室は、あっという間にきれいに片づけられ、村中あげて打ち上げ会に変わる。

     こどもたちも、もちろん参加。

この日ばかりは、おいしいごちそうが腹一杯に食べれるんだわーい(嬉しい顔)

モロブタと呼ばれる80pくらいの木で作られた容器に、お寿司や羊羹など

あざやかに盛りつけられたものが、ずら〜りと並べられてあった。

もうそれを見ただけでゾクゾクするくらいに嬉しかったよ。


朝から、料理をしてくれた村の人々に感謝しながら、大宴会の始まり。

これは、ほんとうに嬉しかった。みんなが「00ちゃん良かったよー」とか

言って、とにかく褒めてくれるし、誰しもがやって良かったって気持ちが持てた。

どの子もわけへだてなく、みんなが親であった。そのことが嬉しかったなあ。

でも、やっぱり誰よりも母親に頭なでられながら、幸せを感じていたものだ。


宴会が進むと、箸拳が出たり唄が出たりとものすごいにぎわいをみせる。

そのうちにおとな達から男先生に決まって

「先生、そろそろアレやっとうせや」「そうそうアレやってくれんと終われんき」

とけしかける。

アレというのは、男先生得意の踊り。これが普通の踊りじゃない。

お皿を両手に2枚づつ持って、カチャカチャと鳴らしながら踊ります。

踊り方がとってもひょうきんで、やんややんやの大騒ぎとなり、何人もが

ついて踊る始末がく〜(落胆した顔)

先生も興に乗り、止まることしらないからおもしろかったなあわーい(嬉しい顔)

今にして思えば、男先生は宴会の時決まって紋付き袴だったのは

この踊りのためやったんやねぇ。


いまでは、学校で宴会しようものなら社会問題になりかねないだろうけど

地域と連携した教育としては最高に良い時代に育ったと感謝します。

学校で学ぶ。それは、学問だけではなくさまざまなことが学べるはず・・

ぼくらは課外授業をたくさん学んだのだろう。今日に少なからずとも

山の分校で学んだことが、いまもたくさん活かされていると思うし

こういう学校であってほしいと願ってやまないでいる・・・・。


















posted by わくわく村長 at 11:57| 高知 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 村長の歴史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
またまたしみじみ読んじゃいました。
こんなに鮮明に語れるなんて、少年時代がいかに豊かであったかの証拠だと思うのです。
うらやましいくらいです。
スカートはいた村長の写真がみたい。
少年時代4で登場するのかしら。
Posted by かんさん at 2006年01月28日 02:51
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